年齢を重ねると、一般的には40歳を過ぎた頃から、さまざまな身体の不調が出やすくなります。
中でも、中高年の方に注意していただきたい感染症の一つが「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。当院では、主に50歳以上の方を対象に帯状疱疹の予防接種を行っています。
今回は、帯状疱疹の概容&帯状疱疹の症状・原因・治療、および、予防の仕方についてご説明します。
目次
■帯状疱疹とは
◎水ぼうそうウイルスによる感染症です
帯状疱疹とは、水ぼうそうウイルスによる感染症です。
水ぼうそうは、子どもの頃にかかる方が非常に多いです。日本人の約9割が水ぼうそうウイルスの抗体を持っていると言われています(※)。
(※)国立感染症研究所「帯状疱疹ワクチン
ファクトシート」(2017)より引用。
■帯状疱疹の症状
◎帯状の発疹、皮膚のピリピリする痛み・かゆみなどの症状が現れます
帯状疱疹を発症すると、初期段階では皮膚の違和感・痛み・かゆみなどを感じることが多いです。
症状が進行すると身体に帯状の発疹が現れ、皮膚にピリピリする痛み・かゆみが出ます。帯状発疹が出た場合は、夜も眠れないほど、皮膚が強く痛むケースも。
◎痛みが残る、目の病気、顔面麻痺などの合併症が起きることも
上記の症状のほか、帯状疱疹は以下の合併症が起きることがあります。
・皮膚の症状が落ち着いた後に、痛みが残る
・角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎などの目の病気
・顔面麻痺
■帯状疱疹の原因
◎加齢などが原因で免疫機能が下がると、帯状疱疹を発症することがあります
加齢などが原因で免疫機能が下がると、帯状疱疹を発症することがあります。特に50歳を過ぎた中高年の方が帯状疱疹を発症するケースが多く、80歳以上の方の3人に1人が帯状疱疹を発症するとされています(※)。
(※)Shiraki K. et al.「Open Forum Infect
Dis. 4(1), ofx007」(2017)より引用。
■帯状疱疹の治療
◎ウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬、痛み止めが主な治療になります
帯状疱疹を発症した場合は、以下の2つが主な治療になります。
・水ぼうそうウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬の内服
・痛み止めの内服
上記のほか、合併症により痛みが残った場合は慢性痛治療薬を用いることもあります。
■帯状疱疹の予防方法
◎規則正しい生活と適度な運動で免疫機能を維持することが大切
帯状疱疹を発症しないようにするには、規則正しい生活と適度な運動で免疫機能を維持することが大切です。
◎50歳を過ぎた方は帯状疱疹の予防接種を受けられます
帯状疱疹は加齢による発症が多い病気です。特に、50歳を過ぎた方に帯状疱疹が多く見られます。
日本では、50歳を過ぎた方は帯状疱疹の予防接種を受けられます。当院では、以下の2種類のワクチンによる帯状疱疹の予防接種を行っています。
・水痘ワクチン(生ワクチン)
・シングリックス(組換えサブユニットワクチン)
なお、水痘ワクチンは生ワクチンのため、免疫機能が低下していると「気分が悪くなる」「湿疹」「アナフィラキシーショック」などの副作用が出ることがあります。当院では、免疫機能の低下が考えられる方に対し、シングリックスによる予防接種をおすすめしています。
{予防接種が100%、帯状疱疹の発症を防げる訳ではありません}
予防接種は帯状疱疹の発症を防ぎやすくする効果があります。ただし、予防接種が100%、帯状疱疹の発症を防げる訳ではありません。患者様によっては、予防接種を受けても、帯状疱疹を発症するケースがあります。
【さなげクリニックは帯状疱疹の予防接種の助成医療機関です】
さなげクリニックでは、主に50歳を過ぎた方を対象に、帯状疱疹の予防接種を行っています。
当院は、帯状疱疹の予防接種の助成医療機関です。豊田市による帯状疱疹ワクチンの助成を受けられ、予防接種の費用を節約できます。
帯状疱疹ワクチンの接種費用については、医師、または、受付までお尋ねください。
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今回は、帯状疱疹、および、帯状疱疹の予防接種についてご紹介をさせていただきました。
中高年の方、特に50歳を過ぎると帯状疱疹の発症リスクが高まります。
中高年の方は日頃から規則正しい生活と適度な運動で免疫機能を維持すると共に、50歳を過ぎたら帯状疱疹の予防接種を受けることをおすすめします。