前回のブログでは「心不全とは」「心不全につながりがある症状・検査方法」のご説明をさせていただきました。
心臓のポンプ機能が弱まり、全身に十分に血液を送り出せなくなる心臓の病気、心不全。
心不全はさまざまな原因によってひき起こされます。心不全の主な原因としては、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病(がひき起こす心臓病)が多いです。他には、肺の病気や甲状腺疾患、ビタミン不足が原因で心不全になることも。
今回は、「心不全の原因」、および、原因に合わせた「心不全の治療方法」をご紹介します。
目次
■心不全の原因
◎心臓の病気、肺の病気など、様々な原因があります
心不全は、主に、以下のような原因によってひき起こされます。
①心臓の病気や生活習慣病(がひき起こす心臓病)が原因のもの
・虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
・高血圧
・不整脈
・弁膜症
・心筋症
②肺の病気が原因のもの
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・間質性肺炎(ILD)
・肺高血圧症
③その他の原因によるもの
・甲状腺疾患
・ビタミン不足(特にビタミンB1の不足)
◎肥満や糖尿病など、生活習慣病が原因で心不全がひき起こされるケースが多いです
心不全の原因は様々。原因は様々ありますが、一般的には、肥満や糖尿病などの生活習慣病が心不全の原因となるケースが多いです。
生活習慣病が進行して心臓の機能に異常をきたし、心不全を発症するケースが少なくありません。
■心不全の治療方法
◎薬物治療を中心に、原因に合わせて適切に治療を行うことが重要です
心不全に対しては、まずは、以下のようなお薬を用いて薬物治療を行います。心不全で起きる症状を緩和・軽減するのが、薬物治療の主な目的です。
[心不全の薬物治療で用いる主なお薬]
・心臓を保護するお薬
・心臓を休ませるお薬
・心臓の働きを助けるお薬
・不整脈を予防するお薬
・心臓の収縮機能を強めるお薬
・血管を広げるお薬
・利尿剤(体内に蓄積した水分の排出をうながします)
◎カテーテル検査や手術が必要なケースも
心臓の状態によっては、カテーテル検査や以下のような手術が必要になるケースがあります。
[心不全に対するカテーテル検査・手術]
・冠動脈バイパス術
・冠動脈へのカテーテル治療
・心臓にペースメーカーを埋め入れる手術
・弁置換術/弁形成術
・心筋切除術
・人工心臓に入れ換える手術
・心臓移植
◎肺の病気や、その他の原因に合わせた治療を行う場合もあります
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎(ILD)など、肺の病気は心不全をひき起こす原因の一つです。肺の病気によって心不全が起きている場合は、心不全の治療を行うと共に、原因となっている肺の病気の治療を進めていきます。
肺の病気のほか、甲状腺疾患やビタミン不足が原因と疑われる心不全に対しては、甲状腺の治療・ビタミン剤の投与など、原因に応じた治療を行う場合もあります。
【身体の状態や患者様のライフスタイルに合わせた治療をご提案いたします】
心不全は、肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因のケースが多いです。生活習慣病による心不全は、以下により、症状を緩和・改善できる可能性があります。
・薬物治療
・定期的に行う、適度な運動(ウォーキングやふくらはぎの運動、スクワットなど)
・塩分や脂肪が少なめの、栄養バランスの取れた食事
生活習慣病が原因の心不全は、上記で改善できる可能性があります。ただし、心臓の状態や原因によってはカテーテル検査や手術が必要になることも。
{総合病院、および、心臓病治療の基幹病院へのご紹介を行っています}
当院では、カテーテル検査や手術が必要な方に対して、総合病院、および、心臓病治療の基幹病院へのご紹介を行っています(術後の療養は当院にて承っております)。
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前回にひき続き、今回は心不全の原因・治療方法について、ご説明をさせていただきました。
命に関わることもある心臓の病気、心不全。
心不全を悪化・進行させないためには、まずは、心臓の検査を受けることが重要です。
・背中が痛む
・息切れする
・疲れやすい
・むくみが取れない
・動悸がする
など、気になる症状がある方、生活習慣病をお持ちの方は当院までご相談ください。
診察では、医師が患者様の身体の状態を確認し、ご同意の上で、検査・診断を行います。検査・診断結果を基に、心不全の治療を含め、身体の状態やライフスタイルに合わせた治療方法をご提案いたします。