「近頃、息切れ・動悸がする… 何かの病気だろうか…」
息切れ・動悸がすると、心臓病などの命に関わる病気を心配される方も多いかと思います。
実際、心臓病で息切れ・動悸が起きることも少なくありません。息切れ・動悸には注意が必要です。
今回は、「息切れ・動悸があるときに考えられる主な病気・症状の出方」について、お話しします。
目次
■息切れ・動悸があるときに考えられる主な病気
動悸や息切れは、心臓、肺、あるいは全身の病気によって引き起こされることがあります。大きく分けて、心臓の病気とその他の病気が考えられます.
1.心臓の病気
息切れ・動悸があるとき、医療機関では、まず、心臓病(循環器系疾患)を疑うことが多いです。
- 不整脈: 心臓の拍動リズムが乱れる病気です。不整脈とは脈が速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、飛んだりする(期外収縮)、脈がバラバラになる心房細動などのことで、動悸として感じられます。これらの中には治療が必要な不整脈もあります。
- 狭心症・心筋梗塞: 心臓の栄養血管である冠動脈が狭くなったり詰まったりすることで、心臓に十分な血液が送られなくなる病気です。胸の痛みとともに、動悸や息苦しさを伴うことがあります。特に労作時に症状が出やすいのが特徴です。
- 心不全: 心不全とは心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気です。最初は階段を上る、歩行時などに息切れを感じるようになります。進行すると安静時にも息苦しさや、むくみが出たりします。
- 弁膜症: 心臓の中にある弁の機能が悪くなる病気です。血液の流れがスムーズでなくなり、心臓に負担がかかることで、動悸や息切れを引き起こします。
- 心筋症: 心臓の筋肉自体に異常が起こる病気です。心臓が拡大したり、心筋が肥大することにより心臓のポンプ機能が低下し、動悸や息切れが生じます。
2.心臓病以外の病気・障害
心臓病が原因の場合が多いですが、以下のような病気・障害でも息切れ・動悸が起きることがあります。
- 呼吸器の病気:
- 気管支喘息: 気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)を伴うことが多いです。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD): 喫煙などが原因で肺の機能が低下し、息切れが慢性的に続く病気です。
- 甲状腺の病気:
- 甲状腺機能亢進症: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。心臓の動きが速くなり、動悸や発汗、体重減少などを引き起こします。
- 貧血
- 血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなる状態です。体が酸素不足になり、心臓にも負担がかかり動悸や息切れ、だるさを感じます。
- 精神的な要因:
- 不安障害・パニック障害: 強いストレスや不安を感じた際に、動悸や息苦しさ、めまいといった身体症状を伴うことがあります。
- その他:
- 発熱や痛み、脱水、薬の副作用なども、一時的に動悸や息切れを引き起こすことがあります。
- 更年期障害
■胸痛、疲れやすいなど、心臓病や肺疾患の可能性がある、注意が必要な症状
心臓病や肺炎などの肺疾患では、息切れ・動悸を含む、以下のような症状が現れることがあります。
[心臓病や肺疾患の可能性がある、注意が必要な症状]
①息切れ
- 「ゼーゼー、ハーハー」または「ゼーゼー、ヒューヒュー」など、息が切れて呼吸が苦しい
- 少し動いただけで息が切れる
②動悸
- 通常よりも心臓が強く、速く、脈打つことがある。脈のリズムが乱れる。
③胸痛(きょうつう:胸の痛み)がある
④疲れやすい(倦怠感がある)
⑤めまいがしたり、ふらつくことがある
⑥足や顔がむくむことがある
⑦いきなり、失神したことがある
【息切れ・動悸など、気になる症状があるときはご相談ください】
さなげクリニックでは、動悸や息切れの原因を正確に診断するために、以下のような検査を行うことができます。
- 心電図検査: 心臓の電気的な活動を記録し、不整脈や心筋の異常がないかを確認します。数分で終わる体に負担の少ない検査です。
- 胸部レントゲン検査: 心臓の大きさや形、肺に水がたまっていないかなどを確認し、心不全や呼吸器の病気の兆候を調べます。
- 胸部CT検査: 体の輪切り写真を撮影することができます。肺気腫、肺炎などの肺疾患であったり、その他の胸の痛みの原因を調べることが可能です。
- 血液検査: 貧血の有無、甲状腺機能、電解質・腎機能などの一般検査、心臓への負担を示すマーカー(NT proBNPなど)などを調べ、全身の状態を把握します。
- ホルター心電図検査(24時間心電図): 小型の心電図を装着し、日常生活での心電図を記録します。普段は出にくい不整脈や、夜間・早朝の不整脈を捉えることができます。24時間から最大7日間の記録が可能です。
- 心臓超音波検査(心エコー): 超音波を使って心臓の動き、弁の状態、心臓の大きさなどをリアルタイムで観察します。心臓のポンプ機能や弁膜症の有無などを詳しく評価できます。(予約制となっています。)
これらの検査を組み合わせて行うことで、動悸や息切れの正確な原因を探り、適切な治療方針を立てることが可能になります。
心臓病と聞くと「大変な治療をしなければいけないのかな…?」と思う方もいらっしゃいますが、早期発見・治療で改善が見込めることも多いため、まずは病院でご自身の状態について診察を受けることが第一歩です。
将来的に命に関わる重篤な事態を避けるためにも、息切れ・動悸など、気になる症状があるときは当院までご相談ください。