むくみが治らないときは要注意! 足のむくみなど、むくみの原因となる病気|豊田市の内科、循環器内科|さなげクリニック

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むくみが治らないときは要注意! 足のむくみなど、むくみの原因となる病気


日々の生活を送る中で、足のむくみ・顔のむくみなどの症状でお悩みの方も多いかと思います。


特に、足のむくみは、デスクワークなどでも起こるお悩みでもあるため、「たかがむくみ」と放置されがちです。

しかし、足のむくみを含め、むくみは心臓病などの危険性が高い病気が原因のケースも。


今回は、病気が原因のむくみのお話です。


■日常的に起こり得る一過性のむくみ


◎一過性のむくみは翌日には治まることが多いです

以下のような、日常的に起こり得る一過性のむくみは、多くの場合、翌日には治まります(1日以内にむくみが解消される)。


日常的に起こり得る一過性のむくみは、医療機関での診療は特に必要にならないケースが多いです(※)。


[日常的に起こり得る一過性のむくみ]


  • 長時間立ちっぱなしだったことによる足のむくみ

  • 長時間座りっぱなしだったことによる足のむくみ

  • 1日中、合わない靴を履いたまま歩いたことによる足のむくみ

  • 運動不足・筋肉量の低下による足のむくみ

  • お酒の飲みすぎによる顔・全身のむくみ

  • 塩分の摂りすぎによる顔・全身のむくみ など


(※)一過性のむくみに見えても、病気が原因のむくみの場合もあります。


■注意が必要なむくみの症状


◎1日以内にむくみが治まらない場合は、病気が原因の可能性があります

以下のようなむくみは病気の可能性があるため、注意が必要です。


[注意が必要なむくみ(病気の可能性があるむくみ・症状)]


  • 翌日以降もむくみが治まらない

  • 急にむくみが悪化している

  • 常に顔・背中・手足などがむくんでいる

  • 主に足にむくみがあり、足の血管がボコボコと浮き出ている

  • むくみがあり、足が腫れて痛む

  • むくみがあり、坂道・階段を上がると息切れする

  • むくみがあり、尿の出が悪い

  • むくみがあり、特に食べすぎてはいないのに急に体重が増えた

  • むくみがあり、疲れやすい


■全身のむくみ・足のむくみを伴うことがある主な原因


◎心不全

むくみが起きやすい箇所:足、背中、顔など


心不全になると心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送り出せなくなります。その結果、血液の循環がうまくいかず、血管内に水分がたまりやすくなってむくみが生じることがあります。進行すると、安静時にもむくみや息苦しさが出るケースも。


※寝たきりの方などは重力がかかる
背中にむくみが現れることがあります。


◎腎不全・ネフローゼ症候群

むくみが起きやすい箇所:顔・手足など


急性腎臓病、慢性腎臓病などでは腎臓の機能が低下し、体内の水分・塩分の調節をスムーズに行えなくなる病気です。

進行すると腎臓の機能低下により、だるさや全身のむくみが生じる可能性があります。特に、顔や足の甲にむくみが出ることが多いです。

腎不全が進行して尿の出が悪くなり、排出しきれない水分によって体重が増える場合もあります。


ネフローゼ症候群では腎臓の異常により、尿に大量のタンパク質が漏れ出てしまいます。そのため低タンパク血症となり強いむくみが出現します。


◎肝硬変

むくみが起きやすい箇所:足・腹部(腹水)・全身

 

肝臓の細胞が長期的な炎症などで破壊され、線維化して硬くなった状態です。肝臓の働きが低下すると、血液中の水分を保つ役割を持つアルブミンが不足し、血管内から水分がしみ出しやすくなります。


その結果、足のむくみや腹部に水がたまる「腹水」などの症状が現れます。症状が進行すると、全身にむくみが広がることもあります。


◎甲状腺機能低下症

むくみが起きやすい箇所:顔・まぶた・手足など

 

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足して代謝が落ちる病気で、疲れやすさや寒がり、徐脈、体重増加などの症状が見られます。顔やまぶた、手足にむくみが出ることもあり、押してもへこまないむくみが特徴です。


◎栄養不足

むくみが起きやすい箇所:足


身体に必要な栄養素が不足した状態です。

特にたんぱく質が不足すると、体内の水分バランスが崩れて足のむくみやしびれが起きることがあります。


近年、日本では、10~20代の女性を中心に、行き過ぎたダイエットによる低栄養が原因の足のむくみが多く見られます。


◎薬剤性

むくみが起きやすい箇所:顔・足など


ステロイドや高血圧の薬であるカルシウム拮抗薬などを内服するとむくむことがあります。


■足のむくみを伴うことがある局所性の主な原因


◎下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

むくみが起きやすい箇所:足


足の静脈の弁の働きが壊れ、足の静脈(血管)がボコボコと膨らむ病気です。

足の静脈の弁の機能の低下により、足がだるい、足のむくみ、足がつるなどの症状が現れやすくなります。


命に関わる病気ではありませんが、慢性的に続くことで生活の質を下げてしまうことにもつながります。


◎深部静脈血栓症

むくみが起きやすい箇所:足(主に片足)


主に足や骨盤内の静脈で血液が固まり、血栓ができて血管が詰まってしまう病気です。


静脈にできた血栓が肺に飛ぶと、肺の血管が詰まって「肺塞栓症(エコノミークラス症候群)」をひき起こすことがあります。


片足全体が赤く腫れる・片足がむくむなど、深部静脈血栓症は血栓ができた側の足(片足)にのみ症状が現れやすいです。


◎リンパ浮腫(ふしゅ)

むくみが起きやすい箇所:足(片足or両足)腕など


体内のリンパ管を流れる、リンパ液の流れが悪くなる病気です。


主に、がんの手術・がんの治療(放射線治療)後(手術直後~10年後など)にリンパ浮腫が起こりやすい傾向が見られます。生まれつき、リンパ管の発達が悪い場合も、リンパ浮腫を発症することがあります。


片足のみがむくむことが多いですが、両足がむくむ場合もあります。病気が進行すると足の皮膚がゴワゴワと硬くなり、「象皮病(ぞうひびょう)」と言われる状態になるケースも。


■日常でもできるむくみ対策


  • 長時間同じ姿勢を避ける:座りっぱなしの時は時折立ち上がってストレッチをしてください。
  • 弾性ストッキング:静脈瘤の予防、長時間の立ちっぱなしで足がむくむ方におすすめです。
  • 塩分を控える:塩分摂取量1日6g以下を目指しましょう。
  • こまめな水分摂取:むくみを予防するため水分摂取を控えると逆に悪化する場合があります。体の循環を保つためこまめな水分摂取を心がけて下さい。
  • 足を高くして寝る:就寝時にクッションなどで足を少し高くして寝ると血流が戻りやすくなり浮腫が改善します。

【気になるむくみがある方はご相談ください】


心不全など、むくみをひき起こす病気の中には命に関わるものもあります。


1日以内にむくみが解消されないなど、気になるむくみの症状が見られると、不安を抱えてしまう方も多いと思います。


当院では、これらの検査を組み合わせることで、むくみの原因を探り、適切な治療方針を立てることが可能です。健康に過ごすためにも、まずはお気軽にご相談ください。


<さなげクリニックの検査メニュー>


  • 心電図検査:
    心臓の電気的な活動を記録し、不整脈や心筋の異常がないかを確認します。数分で終わる体に負担の少ない検査です。


  • ホルター心電図検査(24時間心電図):
    小型の心電図を装着し、日常生活での心電図を記録します。普段は出にくい不整脈や、夜間・早朝の不整脈を捉えることができ、むくみと不整脈の関連を調べます。24時間から最大7日間の記録が可能です。


  • 心臓超音波検査(心エコー):
    超音波を使って心臓の動き、弁の状態、心臓の大きさ、下大静脈などをリアルタイムで観察します。心臓のポンプ機能や弁膜症の有無などを詳しく評価し浮腫の原因を調べることができます。(予約制となっています。)


  • 下肢静脈エコー:
    足の静脈を評価し血栓の有無を確認することができます。深部静脈血栓症が疑われるときに行います。


  • 胸部レントゲン検査:
    心臓の大きさや形、肺に水がたまっていないかなどを確認し、心不全や呼吸器の病気の兆候を調べます。


  • 胸部CT検査:
    体の輪切り写真を撮影することができます。胸に溜まった水は少量でも診断することができます。また肺気腫、肺炎などの肺疾患であったり、その他の胸の痛みの原因を調べることが可能です。


  • 血液検査:
    貧血の有無、甲状腺機能、電解質・腎機能などの一般検査、心臓への負担を示すマーカー(NT proBNPなど)などを調べ、全身の状態を把握します。


  • 尿検査
    尿蛋白の有無を調べることができます。


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