当院では、子宮頸がんワクチンの予防接種(キャッチアップ接種&定期接種)を行っています。
これまで、副作用に対する過度の危惧により、自治体では子宮頸がんワクチンの予防接種が積極的に行われていませんでした。現在は、副作用の重篤性の少なさが判明しており、子宮頸がんワクチンの予防接種の有効性が見直されています。
有効性の見直しにより、只今、豊田市を含む全国の対応医療機関にて、2024年9月までに子宮頸がんワクチンの予防接種を開始した対象者の方(後述)は接種費用が無料になる「キャッチアップ接種」を実施中です(自費の場合は10万円程かかります)。
目次
■子宮頸がんとは?
◎子宮の出口の近くに出来るがん
子宮頸がんとは、子宮の出口の近くにある子宮頸部に出来るがんです。
日本では、1年間に約1万人の女性が子宮頸がんを発症しています。発症者の内、約2,700人の方が子宮頸がんで亡くなっています(※)。
(※)国立がん研究センター「がん情報サービス」(2020)より引用。
◎性行為で感染するHPVウイルスにより、子宮頸がんがひき起こされると考えられています
現在の研究では、性行為で感染するHPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)により、子宮頸がんがひき起こされると考えられています。
{HPVウイルスに感染したすべての方が子宮頸がんを発症する訳ではありません}
HPVウイルスは子宮頸がんをひき起こす原因と考えられています。ただし、HPVウイルスに感染したすべての方が子宮頸がんを発症する訳ではありません。
性行為によってHPVウイルスに感染した場合、約9割の方は数年以内に自己免疫によってHPVウイルスが排除されます。多くの方が自己免疫によりウイルスを排除する一方、残りの約10%の方は排除できず、数年以上に渡って長期間、HPVウイルスが体内に留まります。
長期間、HPVウイルスが体内に留まった場合において、ごく一部の方が子宮頸がん(高リスク型HPVウイルス=16型・18型)や尖圭コンジローマ(低リスク型HPVウイルス=6型・11型)などの病気を発症すると考えられています。
■子宮頸がんの予防接種について
◎予防接種により、子宮頸がんをひき起こしやすい16型・18型のウイルス感染を防ぎやすくなります
子宮頸がんを防ぐためには、初めての性交渉を行う前に、子宮頸がんワクチンによる予防接種を受けておくことが大切です。
HPVウイルスの中でも、HPVの16型・18型が子宮頸がんをひき起こす主なウイルスと考えられています。
予防接種を受けることで、子宮頸がんの原因と考えられているHPVの16型・18型ウイルスの感染を防ぎやすくなります。
◎17歳以上でも、条件を満たしており、2024年9月までに接種を開始した対象者の方は、子宮頸がんワクチンの予防接種が無料になります
これまで、副作用などの理由により、国(全国の自治体)の方針として、子宮頸がんワクチンの予防接種を積極的に行わない期間が約8年間(2013~2021)ありました。この期間は国(自治体)による子宮頸がんワクチンの予防接種が積極的に行われなかったため、接種の機会を逃した方も少なくありません。
現在は予防接種の有効性が見直されており、豊田市を含む全国の自治体の対応医療機関にて、公費で無料で受けられる子宮頸がんワクチンの予防接種「キャッチアップ接種」が実施されています。
キャッチアップ接種とは、かつて約8年間(2013~2021)、積極的に予防接種が行われなかったことで接種の機会を逃した方に対し、公平に予防接種の機会を与える制度です。
キャッチアップ接種
・接種時点で豊田市に住民登録のある方
・1997~2008年生まれの女性で子宮頸がんワクチンの接種を3回完了していない方
17歳以上であっても、上記の2点を満たす対象者の方は、2024年9月までに最初の接種を開始することで、全3回・6ヶ月間に渡って行われる子宮頸がんワクチンの予防接種が無料になります。
◎定期接種は期限の制限無し&無料で受けられます
定期接種
・接種時点で豊田市に住民登録のある方
・12~16歳までの女子
定期接種については、期限の制限はありません。上記の2点を満たしていれば、いつでも無料で子宮頸がんワクチンの予防接種を受けられます。
【子宮頸がんワクチンの予防接種をご希望の方はお気軽にお申し出ください】
さなげクリニックでは、子宮頸がんワクチンの予防接種を行っています。上記の2点(定期接種orキャッチアップ接種)を満たす対象者の方は、自費で10万円程かかることが一般的な子宮頸がんワクチンの予防接種を無料で受けられます。
キャッチアップ接種が無料になるのは、2024年9月までに最初の接種を開始した方のみになります。17歳以上の対象者で子宮頸がんワクチンの予防接種をご希望の方は、無料期間を逃さないよう、ご留意ください。
子宮頸がんの原因であるHPVウイルスは性交渉によって感染します。HPVウイルス(16型・18型)の感染を効果的に防ぐためには、最初の性交渉を行う前に予防接種を受けておくことが大切です。
なお、最初の性交渉の前の接種を逃しても、海外の研究では、45歳までは子宮頸がんワクチンの予防接種の効果が認められています(※)。
(※)Wheeler CM, et al. Lancet Infect Dis.
「Efficacy, safety, and immunogenicity of
the human papillomavirus 16/18 AS04-
adjuvanted vaccine in women older tha
n 25 years」(2016)より引用。
HPVウイルスの感染、および、子宮頸がんの発症を防ぐためにも、子宮頸がんワクチンの予防接種を受けることをおすすめします。
子宮頸がんワクチンの予防接種をご希望の方は医師、または、受付までお気軽にお申し出ください。