生命の源となる臓器、心臓。
生きているあいだ、心臓は休むことなく、ポンプのように全身に血液を送り出しています。
生きるために欠かせない、心臓。しかし、心不全(しんふぜん)が起きると、全身に十分に血液を送り出せなくなり、息切れ・疲れやすさなどの症状が現れることも。
慢性心不全から急性心不全に進行し、命に関わる事態が起きるケースも少なくありません。
今回は、皆様に気をつけていただきたい心臓の病気「心不全」のお話です。
目次
■心不全とは
◎心臓のポンプ機能が弱まり、全身に十分に血液を送り出せなくなった状態を指します
心不全は、心臓の病気です。
心不全とは,「心臓が悪いために,息切れやむくみが起こり,だんだん悪くなり,生命を縮める病気」です。
{心不全=心臓が止まる ではありません}
心不全は、心臓の病気です。心臓が止まる心停止とは異なります。
心不全=心停止ではありません。ただし、心不全の悪化・進行により、心停止がひき起こされるケースはあります(特に、急性心不全の場合)。
■心不全につながりがある症状は?
◎心不全になると、さまざまな症状が見られることがあります
心不全になると、以下のような症状が見られることがあります。ご自身に当てはまるものがないか、確認してみましょう。
[心不全の方に見られやすい症状]
・息切れ
・疲れやすくなる
・階段や坂道を上がるとき、咳や痰がでる
・動悸がする
・ピンク色の痰(血痰)がでる
・就寝中、おしっこの回数が増える(夜間頻尿)
・足の甲やすねのむくみ
・体重増加(1週間で2~3キロ以上増える)
・お腹が張る感じがある(腹部の膨満感)
・呼吸が苦しく、横になって眠れなくなる(起坐呼吸:きざこきゅう)[重度]
・横になると呼吸が苦しく、身体を起こすと楽になる(起坐呼吸)[重度]
・激しく咳き込む[重度]
・胸が痛む[重度]
■心不全の検査方法
◎多種多様な検査法により、心不全の有無・原因を調べます
心不全かどうかを調べるためには、検査が必要です。
以下のような検査により、心不全の有無を確認すると共に、心不全の原因を調べます。
・心臓超音波検査(心エコー)
超音波を心臓に当て、以下のような項目をチェックします。
①心臓の大きさ
②心臓の厚み
③心臓の弁の状態
④心臓の動き
心エコーは超音波を使用します。放射線を当てないため、被ばくの心配がありません。
・採血検査
血液の成分を調べ、心不全をひき起こす原因となり得る糖尿病や高脂血症の有無を確認します。血液成分のチェックにより、腎臓や肝臓の機能の低下など、心不全の重症度も判断しやすくなります。
・心電図検査
胸部と手足に電極&コードを取り付け、心臓が脈打つときに発する微弱な電気信号を計測・記録します。
心電図検査により、心不全の原因となる不整脈の有無があるかを確認します。心筋梗塞、狭心症など、心不全にともなう症状の検出にも心電図検査が役立ちます。
{ホルター心電図検査}
携帯・持ち運びができる小型の装置による、心電図検査です。ご自宅・外出先など、ご自身で24時間、心電図を記録できます。
ホルター心電図検査では、脈の乱れ・胸の痛み・動悸の回数などを調べます。
【心不全と疑われる症状がある方はご相談ください】
さなげクリニックでは、以下による心不全の検査を行っています。
・心臓超音波検査(心エコー)
・採血検査
・心電図検査
・ホルター心電図検査
– 心不全の症状を見逃さず、検査を受けることが重要です –
息切れ・疲れやすい・むくみなどの症状は、心不全ではなくても起きることがあります。
起きることがあるとは言え、「年だから」「運動不足だから」「太り気味だから」とこれらの症状を放置するのはNGです。放置により、心不全が悪化・進行するおそれも。
もし、今回お伝えした「心不全とつながりがある症状」に当てはまるものが一つでもある方は、当院までご相談ください。
診断では、各種検査による心不全検査を実施し、心臓の状態を確認します。心臓の状態を確認後、検査結果に基づいて医師が診断を行い、患者様に適した治療方法をアドバイスさせていただきます。
診断の結果、手術など、専門的な治療が必要な場合には、総合病院、および、心臓病治療の基幹病院をご紹介いたします。
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心不全は肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が原因のケースが多いです。ただし、肺の病気や甲状腺疾患など、生活習慣病以外の原因でも、心不全を発症する場合もあります。
心不全は、複雑な要因が絡み合って発症します。ひと言で心不全、と言っても、その原因はさまざま。心不全を発症したときは、原因に合わせて、適切に治療を行わなければなりません。
今回は、心不全につながりがある症状・心不全の検査方法をご説明させていただきました。
「心不全の原因」および「心不全の治療方法」については、次回のブログにて、お話しします。